ここは ことばの森 世界中のあらゆる人の あらゆる木が いっぽん いっぽん 立っている 音の ない 風の吹かない だぁれも いない ことばの森 けれど ときどき ことばの意味に 疲れた人が 招かれる この ちょうど 木がぐるりと立ち並び ひらけた 森の真ん中の広間に 立つ すると 聞こえる なにかが聞こえる その音のない音に さそわれて きっと いっぽんの木に 出会う それがあなたの ことばの木 見ると いたちが住むような 木の根にほらが出来ている あなたは そこに入ってく 真っ暗闇に包まれる 音の ない 風の吹かない だぁれも いない けれど 聞こえる なにかが聞こえる それは あなたがこれまでに もらった聞いた あらゆる音楽 母のなかで 聞いた音 生まれて音は ことばになった ことばは意味を持っていた そして いつでも世界には いっしょに音が流れてた 雨の音 風の音 誰かの足の音 町の音 それが あなたを作っては あらゆる音といっしょになって あなたに語りか けてきた 母のおなかの中で聞いた 意味のない世界の音楽が あなたに 語りかけてい る 今でも 今も 永遠に ここは ことばの森 世界中のあらゆる人の あらゆる 木が いっぽん いっぽん 立っている 音の ない 風の吹かない だぁれも いない けれど あなたの ことばの木は あなたが日々に出会いを重ねる音を 水とし 汲み上げる 永久に生き続く 愛の森 ことばの森で 聞く音は 木の トクトクと 言う音 ことばと 愛と その意味で 溢れた世界のためにある さあ 森へ行くように あなたの こころの中にある ことばの 森へ